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債権管理回収業に関する特別措置法のページです


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債権管理回収業に関する特別措置法

第一章 総則
(目的)
第一条 この法律は、特定金銭債権の処理が喫緊の課題となっている状況にかんがみ、許可制度を実施することにより弁護士法の特例として債権回収会社が業として特定金銭債権の管理及び回収を行うことができるようにするとともに、債権回収会社について必要な規制を行うことによりその業務の適正な運営の確保を図り、もって国民経済の健全な発展に資することを目的とする。
(定義)
第二条 この法律において特定金銭債権とは、次に掲げるものをいう。
一 次に掲げる者が有する貸付債権
イ 預金保険法第二条第一項に規定する金融機関
ロ 農林中央金庫
ハ 政府関係金融機関
ニ 独立行政法人中小企業基盤整備機構及び独立行政法人住宅金融支援機構
ホ 農業協同組合法第十条第一項第三号の事業を行う農業協同組合及び農業協同組合連合会
ヘ 水産業協同組合法第十一条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合及び同法第八十七条第一項第四号の事業を行う漁業協同組合連合会
ト 水産業協同組合法第九十三条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合及び同法第九十七条第一項第二号の事業を行う水産加工業協同組合連合会
チ 保険会社
リ 貸金業法第二条第二項に規定する貸金業者
ヌ イからリまでに掲げる者に類する者として政令で定めるもの
二 前号に掲げる者が有していた貸付債権
三 前二号に掲げる貸付債権に係る担保権の目的となっている金銭債権
四 機械類その他の物品を使用させる契約であってその使用させる期間(以下この号において使用期間という。)が一年を超えるものであり、かつ、使用期間の開始の日(以下この号において使用開始日という。)以後又は使用開始日から一定期間を経過した後当事者の一方又は双方がいつでも解約の申入れをすることができる旨の定めがないものに基づいて、当該物品を使用させることの対価としての金銭の支払を目的とする金銭債権
五 それと引換えに、又はそれを提示して特定の販売業者又は役務の提供の事業を営む者(以下この号及び次号において販売業者等という。)から商品を購入し、又は役務の提供を受けることができる証票その他の物(以下この号及び次号において証票等という。)をこれにより商品を購入し、又は役務の提供を受けようとする者(以下この号において利用者という。)に交付し、当該利用者がその証票等と引換えに、又はそれを提示して販売業者等から商品を購入し、又は役務の提供を受ける場合において、その代金又は役務の対価に相当する金額を当該販売業者等に交付し、当該利用者から当該金額又はあらかじめ定められた時期ごとにその代金若しくは役務の対価に相当する金額の合計額を基礎としてあらかじめ定められた方法により算定して得た金額を受領することを約する契約に基づいて、当該利用者に対し生ずる金銭債権
六 証票等を利用することなく、販売業者等が行う購入者又は役務の提供を受ける者(以下この号において購入者等という。)への商品の販売又は役務の提供を条件として、その代金又は役務の対価の全部又は一部に相当する金額を当該販売業者等に交付し、当該購入者等から当該金額を受領することを約する契約に基づいて、当該購入者等に対し生ずる金銭債権
七 それと引換えに、又はそれを提示して商品を購入し、又は役務の提供を受けることができる証票その他の物をこれにより商品を購入し、又は役務の提供を受けようとする者(以下この号において「利用者」という。)に交付し、その証票その他の物と引換えに、又はその提示を受けて当該利用者に商品を販売し、又は役務を提供する場合において、その代金若しくは役務の対価又はあらかじめ定められた時期ごとにその代金若しくは役務の対価の合計額を基礎としてあらかじめ定められた方法により算定して得た金額を受領することを約する契約に基づいて、当該利用者に対し生ずる金銭債権
七の二 それと引換えに、又はそれを提示して商品を購入することができる証票その他の物を利用することなく、購入者から代金を六月以上の期間にわたり、かつ、三回以上に分割して受領することを条件として機械類を販売する契約(以下この号において機械類販売契約という。)又は購入者から代金を二月以上の期間にわたり、かつ、三回以上に分割して受領することを条件として割賦販売法第二条第五項に規定する指定商品を販売する契約(機械類販売契約を除く。)に基づいて、当該購入者に対し生ずる金銭債権
八 資産の流動化に関する法律第二条第一項に規定する特定資産(以下資産流動化法に規定する特定資産という。)である金銭債権
九 削除
十 金銭債権であって、これを信託する信託の受益権が資産流動化法に規定する特定資産であるもの
十一 資産流動化法に規定する特定資産の管理及び処分により生ずる金銭債権(資産の流動化に関する法律第二条第三項に規定する特定目的会社又は同条第十六項に規定する受託信託会社等が有するものに限る。)
十二 一連の行為として、次のイからホまでに掲げる資金調達の方法により得られる金銭をもって資産を取得し、当該資産の管理及び処分により得られる金銭をもって、それぞれ当該イからホまでに定める行為を専ら行うことを目的とする株式会社又は外国会社が有する当該資産(以下流動化資産という。)である金銭債権
イ 金融商品取引法第二条第一項第五号に掲げる有価証券又は同項第十七号に掲げる有価証券のうち同項第五号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券(同条第二項の規定により同号に掲げる有価証券又は同条第一項第十七号に掲げる有価証券のうち同項第五号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券とみなされる権利を含む。)の発行その債務の履行
ロ 金融商品取引法第二条第一項第十五号に掲げる有価証券又は同項第十七号に掲げる有価証券のうち同項第十五号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券(同条第二項の規定により同号に掲げる有価証券又は同条第一項第十七号に掲げる有価証券のうち同項第十五号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券とみなされる権利を含む。)の発行 その債務の履行
ハ 資金の借入れ その債務の履行
ニ 金融商品取引法第二条第一項第九号に掲げる有価証券又は同項第十七号に掲げる有価証券のうち同項第九号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券(同条第二項の規定により同号に掲げる有価証券又は同条第一項第十七号に掲げる有価証券のうち同項第九号に掲げる有価証券の性質を有する有価証券とみなされる権利を含む。)の発行 利益の配当及び消却のための取得又は残余財産の分配
ホ 商法第五百三十五条に規定する匿名組合契約に基づく出資の受入れ 利益の分配又は出資の価額若しくは残額の返還
十三 金銭債権であって、これを信託する信託の受益権が流動化資産であるもの
十四 流動化資産の管理及び処分により生ずる金銭債権(第十二号に掲げる株式会社又は外国会社が有するものに限る。)
十五 第一号に掲げる者であって、商業、工業、サービス業その他の事業を行う者から金銭債権を買い取ることを業として行うものが有する金銭債権(その業として買い取ったものに限る。)
十六 破産手続開始の決定、再生手続開始の決定、更生手続開始の決定、特別清算開始の命令又は外国倒産処理手続の承認の決定(以下手続開始決定という。)を受けた者(当該手続開始決定に係る破産手続、再生手続、更生手続、特別清算手続又は承認援助手続が終了している者を除く。次号において同じ。)が有する金銭債権
十七 手続開始決定を受けた者が譲渡した金銭債権
十八 特定債務等の調整の促進のための特定調停に関する法律第二条第一項に規定する特定債務者が同条第三項に規定する特定調停が成立した日又は当該特定調停に係る事件に関し裁判所がする民事調停法第十七条の決定が確定した日に有していた金銭債権
十九 手形交換所による取引停止処分を受けた者がその処分を受けた日に有していた金銭債権
二十 前各号に掲げる金銭債権を担保する保証契約に基づく債権
二十一 信用保証協会その他政令で定める者が前号に掲げる債権に係る債務を履行した場合に取得する求償権
二十二 前各号に掲げる金銭債権に類し又は密接に関連するものとして政令で定めるもの
2 この法律において債権管理回収業とは、弁護士又は弁護士法人以外の者が委託を受けて法律事件に関する法律事務である特定金銭債権の管理及び回収を行う営業又は他人から譲り受けて訴訟、調停、和解その他の手段によって特定金銭債権の管理及び回収を行う営業をいう。
3 この法律において債権回収会社とは、次条の許可を受けた株式会社をいう。
第二章 許可等
(営業の許可)
第三条 債権管理回収業は、法務大臣の許可を受けた株式会社でなければ、営むことができない。
(許可の申請)
第四条 前条の許可を受けようとする者は、次に掲げる事項を記載した許可申請書を法務大臣に提出しなければならない。
一 商号
二 本店その他の営業所の名称及び所在地
三 取締役及び監査役(監査等委員会設置会社にあっては取締役、指名委員会等設置会社にあっては取締役及び執行役。以下「役員」という。)の氏名及び住所
四 役員のうち弁護士であるものについては、その旨及び所属弁護士会の名称
五 資本金の額
六 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める事項
2 前項の許可申請書には、法務省令で定める書類を添付しなければならない。
(許可の基準)
第五条 法務大臣は、前条の規定による許可の申請があったときは、許可申請者が次の各号のいずれかに該当する場合を除き、第三条の許可をしなければならない。
一 資本金の額が五億円以上の株式会社でない者
二 第二十四条第一項の規定により第三条の許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない株式会社
三 この法律若しくは弁護士法又はこれらに相当する外国の法令の規定により罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない株式会社
四 常務に従事する取締役のうちにその職務を公正かつ的確に遂行することができる知識及び経験を有する弁護士のない株式会社
五 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第六号に規定する暴力団員(以下この号において暴力団員という。)又は暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(以下暴力団員等という。)がその事業活動を支配する株式会社
六 暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用するおそれのある株式会社
七 取締役若しくは執行役(相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、会社に対し取締役又は執行役と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。)又は監査役(以下この号において役員等という。)のうちに次のいずれかに該当する者のある株式会社
イ 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
ロ 破産者で復権を得ないもの又は外国の法令上これと同様に取り扱われている者
ハ 禁錮こ以上の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ニ この法律若しくは弁護士法又はこれらに相当する外国の法令の規定により罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ホ 債権の管理又は回収に関し、刑法、暴力行為等処罰に関する法律、貸金業法若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律又はこれらに相当する外国の法令により罰金の刑(これに相当する外国の法令による刑を含む。)に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から五年を経過しない者
ヘ 暴力団員等
ト 債権回収会社が第二十四条第一項の規定により第三条の許可を取り消された場合において、その取消しの日前六月以内に当該債権回収会社の役員等であった者で当該取消しの日から五年を経過しないもの
チ 債権管理回収業に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
八 債権管理回収業を適正に遂行するに足りる人的構成を有しない株式会社
(許可に関する意見聴取)
第六条 法務大臣は、第三条の許可をしようとするときは、前条第五号、第六号及び第七号ヘに該当する事由の有無について、警察庁長官の意見を聴くものとする。
2 法務大臣は、第三条の許可をしようとするときは、弁護士である取締役について、当該取締役がその職務を公正かつ的確に遂行することができる知識及び経験を有するものであるか否かに関し、日本弁護士連合会の意見を聴くものとする。ただし、当該取締役がその所属する弁護士会の推薦を受けた者であるときは、この限りでない。
(変更の届出)
第七条 債権回収会社は、次の各号のいずれかに該当することとなったときは、その日から二週間以内に、その旨を法務大臣に届け出なければならない。
一 第四条第一項各号に掲げる事項に変更があったとき。
二 営業を開始し、休止し、又は再開したとき。
三 その他法務省令で定める場合に該当するとき。
2 前条第二項の規定は、弁護士である取締役の変更の届出があった場合に準用する。
(債権管理回収業の譲渡及び譲受け並びに会社の合併及び分割)
第八条 債権管理回収業の全部又は一部の譲渡及び譲受けは、法務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。 2 債権回収会社の合併は、法務大臣の認可を受けなければ、その効力を生じない。債権回収会社を分割をする会社とする分割で債権管理回収業の全部若しくは一部を承継させるもの又は債権回収会社を分割により事業を承継する会社とする吸収分割も、同様とする。
3 第五条の規定は、前二項の認可について準用する。
(承継)
第九条 債権管理回収業の全部の譲渡があり、又は債権回収会社について合併若しくは分割(債権管理回収業の全部を承継させるものに限る。)があったときは、債権管理回収業の全部を譲り受けた会社又は合併後存続する会社若しくは合併により設立された会社若しくは分割により債権管理回収業の全部を承継した会社は、その債権回収会社の地位を承継する。
(廃業の届出等)
第十条 債権回収会社が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該各号に定める者は、その日から三十日以内に、その旨を法務大臣に届け出なければならない。
一 破産手続開始の決定により解散したとき。その破産管財人
二 合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散したとき。その清算人
三 債権管理回収業を廃止したとき。 債権回収会社であった会社の代表取締役又は代表執行役
2 債権回収会社が前項各号のいずれかに該当することとなったときは、当該債権回収会社の第三条の許可は、その効力を失う。
第三章 業務
(受託債権の管理又は回収の権限等)
第十一条 債権回収会社は、委託を受けて債権の管理又は回収の業務を行う場合には、委託者のために自己の名をもって、当該債権の管理又は回収に関する一切の裁判上又は裁判外の行為を行う権限を有する。
2 債権回収会社は、委託を受けて債権の管理若しくは回収の業務を行い、又は譲り受けた債権の管理若しくは回収の業務を行う場合において、次に掲げる手続については、弁護士に追行させなければならない。
一 簡易裁判所以外の裁判所における民事訴訟手続、民事保全の命令に関する手続及び執行抗告(民事保全の執行の手続に関する裁判に対する執行抗告を含む。)に係る手続
二 簡易裁判所における民事訴訟手続であって、訴訟の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えるもの
三 簡易裁判所における民事保全の命令に関する手続であって、本案の訴訟の目的の価額が裁判所法第三十三条第一項第一号に定める額を超えるもの
(業務の範囲)
第十二条 債権回収会社は、債権管理回収業及び次に掲げる業務以外の業務を営むことができない。ただし、当該債権回収会社が債権管理回収業を営む上において支障を生ずることがないと認められるものについて、法務大臣の承認を受けたときは、この限りでない。
一 特定金銭債権の管理又は回収を行う業務であって、債権管理回収業に該当しないもの
二 債権管理回収業又は前号の業務に付随する業務であって、政令で定めるもの
(商号)
第十三条 債権回収会社は、その商号中に債権回収という文字を用いなければならない。
2 債権回収会社でない者は、その商号のうちに債権回収会社であると誤認されるおそれのある文字を用いてはならない。
(名義貸しの禁止)
第十四条 債権回収会社は、自己の名義をもって、他人に債権管理回収業を営ませてはならない。
(受取証書の交付)
第十五条 債権回収会社は、特定金銭債権の全部又は一部について弁済を受けたときは、その都度、直ちに、法務省令で定めるところにより、債権回収会社の商号及び本店の所在地、受領金額その他の法務省令で定める事項を記載した書面を当該弁済をした者に交付しなければならない。
2 前項の規定は、預金又は貯金の口座に対する払込みその他法務省令で定める方法により弁済を受ける場合にあっては、当該弁済をした者の請求があった場合に限り、適用する。
(債権証書の返還)
第十六条 債権回収会社は、特定金銭債権の全部の弁済を受けた場合において当該特定金銭債権の証書を有するときは、遅滞なく、これをその弁済をした者に返還しなければならない。
(業務に関する規制)
第十七条 債権回収会社の業務に従事する者は、その業務を行うに当たり、人を威迫し又はその私生活若しくは業務の平穏を害するような言動により、その者を困惑させてはならない。
2 債権回収会社の業務に従事する者は、その業務を行うに当たり、相手方の請求があったときは、当該債権回収会社の商号、自己の氏名その他法務省令で定める事項を、その相手方に明らかにしなければならない。
第十八条 債権回収会社は、暴力団員等をその業務に従事させ、又はその業務の補助者として使用してはならない。
2 債権回収会社は、その業務に関して広告をするときは、債権の回収の確実性その他法務省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。
3 債権回収会社は、債権管理回収業に係る債権の債務者又は保証人(以下この条において債務者等という。)から、これらの者が当該債権に係る債務の不履行の場合に直ちに強制執行を受けるべきことを記載した公正証書の作成を公証人に嘱託することを代理人に委任することを証する書面(以下委任状という。)を取得する場合においては、当該債権の債権金額その他法務省令で定める事項を記載していない委任状を取得してはならない。
4 債権回収会社は、特定金銭債権の管理又は回収の業務を行うに当たり、偽りその他不正の手段を用いてはならない。
5 債権回収会社は、特定金銭債権に係る次の各号に掲げる債務について、債務者等に対し、当該各号に定めるものの支払を要求してはならない。
一 金銭を目的とする消費貸借(利息制限法第五条第一号に規定する営業的金銭消費貸借(以下この項において単に「営業的金銭消費貸借」という。)を除く。)上の債務であって、同法第一条に定める利息の制限額を超える利息(同法第三条の規定によって利息とみなされる金銭を含む。以下この号において同じ。)の支払を伴い、又はその不履行による賠償額の予定が同法第四条に定める制限額を超えるもの その制限額を超える利息又は賠償額
二 営業的金銭消費貸借上の債務であって、利息制限法第一条及び第五条の規定により計算した利息の制限額を超える利息(同法第三条及び第六条の規定によって利息とみなされる金銭を含む。以下この号において同じ。)若しくは同法第九条に定める利息の制限額を超える利息の支払を伴い、又はその不履行による賠償額の予定が同法第七条に定める制限額を超えるもの その制限額を超える利息又は賠償額
三 営業的金銭消費貸借上の債務を主たる債務とする保証(業として行うものに限る。)がされた場合における保証料(利息制限法第八条第七項の規定によって保証料とみなされる金銭を含み、主たる債務者が支払うものに限る。以下この号において同じ。)の支払の債務であって、当該保証料が同条第一項から第四項まで及び第六項の規定により支払を受けることができる保証料の上限額を超えるもの その上限額を超える保証料
6 債権回収会社は、債務者等に対し、貸金業法第二条第一項に規定する貸金業を営む者からの金銭の借入れその他これに類する方法により特定金銭債権に係る債務の弁済資金を調達することをみだりに要求してはならない。
7 債権回収会社は、債務者等の親族(債務者等と内縁関係にある者その他債務者等と同居し、かつ、生計を同じくする者を含む。)又は債務者等が雇用する者その他の債務者等と密接な関係を有する者に対し、債務者等に代わって債務を弁済することをみだりに要求してはならない。
8 債権回収会社は、債務者等が特定金銭債権に係る債務の処理を弁護士又は弁護士法人に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとった場合において、その旨の通知があったときは、正当な理由がないのに、債務者等に対し、訪問し又は電話をかけて、当該債務を弁済することを要求してはならない。
9 債権回収会社は、前各項に定めるもののほか、債権の管理又は回収に関する行為であって、債務者等の保護に欠け、又は債権の管理若しくは回収の適正を害するおそれがあるものとして法務省令で定める行為をしてはならない。
(業務の委託及び債権譲渡の制限)
第十九条 債権回収会社は、債権管理回収業に係る債権の管理又は回収を他の債権回収会社及び弁護士又は弁護士法人以外の者に委託してはならない。
2 債権回収会社は、債権管理回収業に係る債権の譲渡(以下この項において債権譲渡という。)をしようとする場合において、その相手方が次の各号のいずれかに該当する者(以下この項において譲受け制限者という。)であることを知り、若しくは知ることができるとき、又は当該債権譲渡の後譲受け制限者が当該債権を譲り受けることを知り、若しくは知ることができるときは、当該債権譲渡をしてはならない。
一 暴力団員等
二 暴力団員等がその運営を支配する法人その他の団体又は当該法人その他の団体の構成員
三 当該債権の管理又は回収に当たり、第十七条第一項若しくは前条の規定に違反し、又は刑法若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯すおそれが明らかである者
第四章 監督
(業務に関する帳簿書類)
第二十条 債権回収会社は、法務省令で定めるところにより、その業務に関する帳簿書類を作成し、これを保存しなければならない。
(事業報告書の提出)
第二十一条 債権回収会社は、事業年度ごとに、法務省令で定めるところにより、事業報告書を作成し、毎事業年度経過後三月以内に、これを法務大臣に提出しなければならない。
(立入検査等)
第二十二条 法務大臣は、債権回収会社の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、債権回収会社に対し、その業務若しくは財産に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は当該職員に、債権回収会社の営業所若しくは事務所に立ち入り、その業務若しくは財産の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 警察庁長官は、債権回収会社について、第五条第五号、第六号若しくは第七号ヘに該当する事由又は第十七条第一項、第十八条第一項若しくは第十九条第二項の規定に違反する事実があると疑うに足りる相当な理由があり、かつ、第六条第一項、第二十四条第二項又は第二十七条の規定に基づき意見を述べるために必要であると認められる場合には、法務大臣に協議の上、第五条第五号、第六号若しくは第七号ヘに該当する事由又は第十七条第一項、第十八条第一項若しくは第十九条第二項の規定に違反する事実の有無を確認するために必要な限度で、債権回収会社に対し、その業務に関して報告若しくは資料の提出を命じ、又は警察庁職員に、債権回収会社の営業所若しくは事務所に立ち入り、その業務の状況若しくは帳簿書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
3 警察庁長官は、前項の規定により報告若しくは資料の提出を命じ、又は立入検査若しくは質問をさせたときは、その結果を速やかに文書で法務大臣に通報するものとする。
4 第一項又は第二項の規定により立入検査又は質問をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
5 第一項又は第二項の規定による立入検査又は質問の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(業務改善命令)
第二十三条 法務大臣は、債権回収会社の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めるときは、当該債権回収会社に対し、業務の運営の改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。
(許可の取消し等)
第二十四条 法務大臣は、債権回収会社が次の各号のいずれかに該当するときは、第三条の許可を取り消し、又は六月以内の期間を定めてその業務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
一 第五条各号のいずれかに該当することとなったとき。
二 不正の手段により第三条の許可を受けたとき。
三 この法律若しくはこの法律に基づく命令又はこれらに基づく処分に違反したとき。
四 債権管理回収業に関し、著しく不当な行為をした場合において、その情状が特に重いとき。
五 第三条の許可を受けてから六月以内に営業を開始せず、又は引き続き六月以上営業を休止し、現に営業を営んでいないとき。
2 法務大臣は、前項の規定による処分をしようとするときは、第五条第五号、第六号若しくは第七号ヘに該当する事由又は第十七条第一項、第十八条第一項若しくは第十九条第二項の規定に違反する事実の有無について、警察庁長官の意見を聴くことができる。
(監督処分の公告)
第二十五条 法務大臣は、前条第一項の規定による処分をしたときは、法務省令で定めるところにより、その旨を公告しなければならない。
第五章 雑則
(協力依頼)
第二十六条 法務大臣は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、官庁、公共団体その他の者に照会し、又は協力を求めることができる。
(法務大臣への意見)
第二十七条 警察庁長官は、債権回収会社について、第五条第五号、第六号若しくは第七号ヘに該当する事由又は第十七条第一項、第十八条第一項若しくは第十九条第二項の規定に違反する事実があると疑うに足りる相当な理由があるため、法務大臣が当該債権回収会社に対して適当な措置をとることが必要であると認める場合には、法務大臣に対し、その旨の意見を述べることができる。
(援助)
第二十八条 債権回収会社は、その業務を行うに当たり、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第二条第一号に規定する暴力的不法行為等による被害を受け、又は被害を受けるおそれがあると認めるときは、警察庁長官に対し、必要な援助を受けたい旨の申出をすることができる。
2 警察庁長官は、前項の申出を相当と認めるときは、債権回収会社に対し、助言その他必要な援助を行うものとする。
(犯罪があると思料する場合の措置)
第二十九条 債権回収会社は、その役員又は職員がその業務を行うことにより犯罪があると思料するときは直ちに所要の報告をさせ、当該報告があったときは告発に向けて所要の措置をとらなければならない。
(警察庁長官への通報)
第三十条 法務大臣は、第三条、第八条第一項若しくは第二項若しくは第二十四条第一項の規定による処分をし、又は第七条第一項若しくは第十条第一項の規定による届出を受けたときは、その旨を速やかに文書で警察庁長官に通報するものとする。
(命令への委任)
第三十一条 この法律に定めるもののほか、この法律を実施するため必要な事項は、法務省令で定める。
2 第六条第一項、第二十二条第二項、第二十四条第二項、第二十七条及び第二十八条第二項の規定により警察庁長官の権限に属する事務を実施するため必要な事項は、国家公安委員会規則で定める。
(経過措置)
第三十二条 この法律の規定に基づき命令を制定し、又は改廃する場合においては、その命令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に係る経過措置を含む。)を定めることができる。
第六章 罰則
第三十三条 次の各号のいずれかに該当する者は、三年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第三条の規定に違反して、許可を受けないで債権管理回収業を営んだ者
二 不正の手段により第三条の許可を受けた者
三 第十四条の規定に違反して、他人に債権管理回収業を営ませた者
四 第二十四条第一項の規定による業務の停止の命令に違反した者
第三十四条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
一 第四条第一項の許可申請書又は同条第二項の書類に虚偽の記載をして提出した者
二 第十二条ただし書の規定による承認を受けないで、債権管理回収業及び同条各号に掲げる業務以外の業務を営んだ者
三 第十七条第一項の規定に違反した者
四 第二十条の規定による帳簿書類の作成若しくは保存をせず、又は虚偽の帳簿書類を作成した者
五 第二十一条の規定による事業報告書を提出せず、又は虚偽の記載をした事業報告書を提出した者
六 第二十二条第一項又は第二項の規定による命令に違反して、報告若しくは資料の提出をせず、又は虚偽の報告若しくは虚偽の資料の提出をした者
七 第二十二条第一項若しくは第二項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、又はこれらの規定による質問に対して答弁をせず、若しくは虚偽の答弁をした者
第三十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、百万円以下の罰金に処する。
一 第七条第一項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者
二 第十三条第二項の規定に違反した者
三 第十五条第一項の規定に違反して書面を交付せず、又は同項に規定する事項を記載しない書面若しくは虚偽の記載をした書面を交付した者
四 第十六条の規定に違反して、証書を返還しなかった者
五 第十七条第二項の規定に違反した者
六 第十八条第一項の規定に違反した者
七 第十八条第二項の規定に違反して、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をした者
八 第十八条第三項の規定に違反して、同項に規定する事項を記載していない委任状を取得した者
九 第二十三条の規定による命令に違反した者
第三十六条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、次の各号に掲げる規定の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人に対して当該各号に定める罰金刑を、その人に対して各本条の罰金刑を科する。
一 第三十三条第四号 三億円以下の罰金刑
二 第三十四条第二号又は第四号から第七号まで 二億円以下の罰金刑
三 第三十三条第一号から第三号まで、第三十四条第一号若しくは第三号又は前条 各本条の罰金刑
第三十七条 第十条第一項の規定に違反して、届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、百万円以下の過料に処する。


経過措置

経過措置とは、新しく別の法律や制度に移行する際に不都合が生じないように取られる一時的な措置のこと。法律を改正または廃止し、新しく別の法律に移行する場合、それまでの法律に基づいて営まれてきた社会生活が混乱に陥ることを避けるため、新しく別の法律に移行したとしても一定の期間に限り以前の法律の一部を適用することを認めている場合がある。これを経過規定といい、通常は附則に規定されている。経過規定の形式には二通り存在し、なお従前の例による、なおその効力を有するがある。なお従前の例によると規定されている場合、改廃前の法律自体はすでに失効していて、なお従前の例によるという規定が適用の根拠となっているが、なおその効力を有すると規定されている場合、改廃前の法律が効力を有するため、改廃前の法律自体が適用の根拠となる。なお従前の例によると規定されている場合、改廃前の法律に基づく政令や省令に関する経過規定は不要であるが、なおその効力を有すると規定されている場合、効力を有するのはあくまでも改廃前の法律だけであり、改廃前の法律に基づく政令や省令についても別途経過規定を設ける必要がある。また、なお従前の例によると規定されている場合、改廃前の法律はすでに失効しているため、改正することはできないが、なおその効力を有すると規定されている場合、改廃前の法律は引き続き効力を有するため、改正することができる。

附則

附則とは、法令において、付随的な事項を定めた部分のこと。これ以外の部分を本則という。付則と記述される場合もある。法令の施行期日や経過措置、関係法令の改廃等に関する事項が定められることが多い。 あくまで本則に付随するものであることから、本則と関係のない事項を規定することはない。

債権管理回収業に関する特別措置法

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